国境の街から A small report from Cox's Bazar

バングラデシュとミャンマーとの国境の街・コックスバザールから、日々の出来事や感じたことをお届けします。

「世界難民の日」によせて

こんにちは、mariko_bangla2019です。

今日6月20日は「世界難民の日」。日本でもスカイツリーなど各地で国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)の象徴であるブルーの明かりが点灯されたようですね。また、さまざまな支援団体やマスコミ、個人による難民についての発信も目にしました。

本日発行されたUNHCRのプレスリリースによると、7,000万の人びとが紛争や迫害により故郷を追われているとか。世界では2秒に1人の計算になるようです。

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クトゥパロン難民キャンプ

私が住むコックスバザールの街から車で1時間ほど行ったところにある、クトゥパロン難民キャンプ。通称 ” メガキャンプ ” と呼ばれるこの場所では、今も70万人近くのロヒンギャ難民が避難生活を送っています。

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サッカーをする難民の少年たち

難民キャンプを訪問すると、目につくのがたくさんの子どもたち。それもそのはず、キャンプ住民の半数以上は18歳未満の子どもたちなのです。支援活動のモニタリングで難民の家庭訪問をした際、数か月~1歳前後の子どもを見かけることもありました。命からがら国境を越えてたどり着いた異国の地で生まれた「新しい命」です。

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汲んだ水を運ぶ少女

私がはじめて接した難民は、旧ユーゴスラビア出身のNGO職員でした。同世代の彼は戦争のために大学を中退せざるを得ず、一方で自らの希望で進学を実現した私。環境が異なれば逆の立場になっていたかもしれません。「学べるチャンスがある幸せ」を実感した瞬間でした。

残念ながらロヒンギャ難民の帰還問題はなかなか進展がありませんが、せめて難民キャンプの子どもたちが、将来望む選択をできるような「今」を過ごせるようにと願うばかりです。