国境の街から A small report from Cox's Bazar

バングラデシュとミャンマーとの国境の街・コックスバザールから、日々の出来事や感じたことをお届けします。

国際母語デー(International Mother Language Day)

こんにちは、mariko_bangla2019です。

日本ではあまり知られていないかもしれませんが、今日、2月21日は国際母語デーです。1999年11月17日に、言語と文化の多様性、多言語の使用、あらゆる母語の尊重の推進を目的としてユネスコにより制定されました。バングラでは祝日になっています。それは、なぜでしょう?

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バングラ独立へと続く「ベンガル語国語化運動」と大いに関係があるからなのです。

 バングラデシュは1971年に独立した比較的新しい国ですが、それ以前は東パキスタンと呼ばれ、今のパキスタン(旧西パキスタン)とあわせて「パキスタン」という1つの国を成していました。インドをはさんで、東西両側に国土が2分されていたということですね。

ただ、同じイスラム教を信仰していても、東西では言語も社会文化も異なっていました。当時のパキスタン政府が、西側で話されていたウルドゥー語パキスタンの国語とすることにしたため、ベンガル語母語とする東パキスタン側は猛反発。1952年2月21日、抗議活動をしていたダッカの学生たちに対し、パキスタンの警察隊が発砲。多くの学生たちが犠牲になってしまいました。

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犠牲者追悼の碑「ショヒド・ミナール」

この碑は、倒れた息子たちと、彼らを前に頭を垂れて悲しむ母の姿を表しているそうです。後ろの赤い円は、犠牲となった若者たちの血の象徴。若者たちは命を賭して、彼らのアイデンティティであるベンガル語を守り、今へ続くバングラの礎を築いていったとも言えます。

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旧1,000タカ札に描かれているショヒド・ミナール

各学校の敷地にはショヒド・ミナールのレプリカが設置されています。ちょっと意味合いは異なりますが、日本の二宮金次郎銅像みたいですね。しかしながら、資金や敷地不足により近年ではショヒド・ミナールを設置している小学校も減っていると、地元紙で読みました。

www.thedailystar.net

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ショヒド・ミナールのある広場

このショヒド・ミナールの本物はダッカにありますが、バングラ国内はもとより、世界各地のバングラデシュ人が多く住む場所にもレプリカがたくさんつくられているようです。そのうちの1つが都内にあるのをご存じでしょうか? 

池袋西口公園にはバングラデシュ政府から寄贈されたショヒド・ミナールがありますので、お近くを通りかかったら是非見てみてください。バングラデシュのお正月(4月)には毎年、ここでカレーフェスティバルが開かれているらしいですよ~。

ja.wikipedia.org