国境の街から A small report from Cox's Bazar

バングラデシュとミャンマーとの国境の街・コックスバザールから、日々の出来事や感じたことをお届けします。

サイクロンの季節

こんにちは、mariko_bangla2019です。

関東・東北を中心に大きな被害がもたらされた台風19号の発生から、1ヶ月。避難所での生活を余儀なくされ、今なお泥だらけのお住まいの片付けに追われている方もいらっしゃるかと思います。一方、たくさんの友人が支援活動に従事し、休日ごとにボランティアに行かれている方もいて、本当に頭が下がります。一日も早く、被災された方々が安心して暮らせる日がくることを願ってやみません。

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さて、日本ではあまり報道されていなかったかもしれませんが、実は、ここバングラデシュでも先日、勢力の大きなサイクロン(熱帯低気圧)が上陸しました。その名も 「サイクロン・ブルブル(Cyclone Bulbul)」(名前がかわいいと思ってしまった、、、)www.dhakatribune.coz

11月9日(土)夜にバングラデシュ南西部とインドの国境付近に上陸、沿岸部を中心に大雨と強風をもたらしました。コックスバザールは台風の進路からは反れていたものの、進路方向右側ということもあり、9、10日は断続的に雨が降ったり止んだり、少し風もありました。

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難民キャンプでは雨季に入った段階で、家やトイレなど補強がなされていました。Tie Down(タイダウン)といって、建物をロープなどで縛り付けて固定する方法の研修が行われ、支援団体や難民の人たちが協力しあいながら備えていたので、今回のサイクロンでも大きな被害は(今の時点では)無かったようです。

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バングラデシュは130を超える河川が流れる、低地のデルタ国家。乾季と雨季の変わり目の4~5月(乾季⇒雨季)、10~11月(雨季⇒乾季)にはサイクロンが発生します。

過去、1970年には30万人、1991年には13万人強を超える住民がサイクロンで犠牲になっています。私がバングラに最初に来たのも、2007年のサイクロン・シドルの支援活動がきっかけでした。

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年中行事のようなサイクロンも、「避難できる場所」があれば過去のような大きな犠牲者を出さずにすみます。そんなわけで、バングラデシュの沿岸部では多くの「サイクロンシェルター」が建設されています。

台風19号では避難が遅れて犠牲になった方も多かったようですが、バングラ(2007年)では財産である家畜(牛、ヤギなど)が心配で家に帰って犠牲になったという話も多く聞きました。「避難できる場所」だけではなく、命を守るために何が必要なのか、どんよりした空を見ながら思いを巡らせた週末でした。